ゴロアウトという指標(9)

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 今回は事例の紹介です。
 2015年のプロ野球のデータを取り上げます。できるだけ公式記録集などに載らないような記録に着目していきます。

 前回は併殺打機会に占める併殺打率が高い投手のランキングを見てきました。今回は走者状況別の併殺打率と左右の打席別の併殺打率を紹介します。

 下記の表は、走者状況別の併殺打率です。
 体裁はこれまでと同じで、左から5列目に併殺打率(併殺打%)を求め、6列目以降では併殺打機会での打撃成績を併記しています。情報量が多くて見づらいと思いますが、併殺打率だけでなく打撃成績を見ることで、どのような打撃内容なのかがわかります。手計算による集計のため、正確性の保証はできないことをご了承ください。画像をクリックすると、別ウィンドウで拡大画像が開きます。

 併殺打機会の打席数を見ると、最多は1死1塁の3906打席、最少は無死満塁の232打席でした。
 併殺打%の最高は1死1,2塁の12.29%、最低は1死1,3塁の6.96%でした。
 犠打%を見ると、やはり無死1塁が28.4%で最も高く、無死1,2塁の24.0%が続いています。無死全体では24.9%、1死全体では5.1%で約5倍の差があります。1死の犠打%が低い分、併殺打%は高くなっています。
 無死満塁では犠打%が0%となっていますが、打席の途中(2ストライク未満)でスクイズに失敗(空振り)して3塁走者がアウトになったケースは含まれていないのでご注意ください。この場合は1死1,2塁などの別の状況として計上されます。
 無死での犠打成功率(安打と犠打が分子)を計算すると、無死1塁84.90%→無死1,2塁63.54%→無死1,3塁54.55%で、走者が先にいるほど成功率が低くなっています。無死1,3塁からの犠打というのが、スクイズを試みたものなのか、3塁走者をそのままに1塁走者を送ったものなのかまでは調べなかったので内訳はわかりませんが、54.55%というのはかなり低いという感想を持たれたのではないでしょうか。

 下記の表は、左右の打席別の併殺打率です。
 体裁はこれまでと同じで、右打席と左打席を比較しました。両打者(スイッチヒッター)は右打席と左打席で分けました。ただし、映像を見て分類したわけでなく、相手が右投げか左投げかで分類しています。まずないと思いますが、左投手を相手に左打席に入った場合は考えていません。画像をクリックすると、別ウィンドウで拡大画像が開きます。

 併殺打機会の打席数を見ると、右打席が6709打席左打席が5074打席でした。
 併殺打%は右打席が10.33%左打席が7.80%で、右打席の方が約1.32倍高くなっています。やはり、1塁から離れている右打者にとって厳しい結果となっています。
 気になるのは同じ右打席でも、純粋な右打者とスイッチの右打者で打率や長打率に開きがあり、スイッチの方が非力な印象です。打撃を期待されていないのか、犠打%もスイッチの右打者の方が高くなっています。

 なお、スイッチヒッターの併殺打機会数の上位3人の併殺打%は以下の通りです。
 (1)アンダーソン・エルナンデス(中日):右打席(26打席で11.54%)、左打席(90打席で11.11%)
 (2)松井稼頭央(楽天):右打席(19打席で0%)、左打席(66打席で10.61%)
 (3)藤井淳志(中日):右打席(16打席で6.25%)、左打席(57打席で5.26%)

 以上5回に亘って併殺打%を紹介しました。全ての打席を検証するのはかなり大変でしたが、各球団のWebページなどで公開されている試合状況を追えばそんなに難しいことではありません。全球団まではできないという方は自分の応援している球団から始めれば良いのではないでしょうか。