守備イニングという指標

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 今回は事例の紹介です。
 2016年のプロ野球のデータを取り上げます。できるだけ公式記録集などに載らないような記録に着目していきます。

 公式記録集にない指標の一つに守備イニング数があります。投手は投球イニング数がそのまま守備イニング数になりますが、野手はその守備位置での出場試合数しか記録されません。同じ1試合の出場でも、9イニング守ったレギュラー選手と1イニングだけの守備固めの選手を区別することができないという欠点があります。
 守備イニング数はいろいろなサイトで紹介されています。同じことをやっても面白くありませんので、このページでは指名打者の守備イニング数を紹介します。指名打者は守備にはつかないので、正しくは守備の時間に指名打者としてオーダーに登録されていたイニング数ということになります。これを出しているサイトはほとんどないのではないでしょうか。野手の各ポジションと違って、イニングの途中で指名打者が交代することがないので、各ポジションに比べて集計は簡単です。

 下表はセ・リーグの指名打者の守備イニング数で、球団ごとに大きい順にまとめました。セ・リーグは指名打者制がないので、交流戦に限定した数値になります。数値は「エキサイトベースボール」と「ヤフースポーツ」を参考にしました。手計算による集計のため、正確性の保証はできないことをご了承ください。画像をクリックすると、別ウィンドウで拡大画像が開きます。

 セ・リーグの指名打者は、(1)交流戦前までレギュラークラスでも守備に不安がある選手、(2)代打の一番手のような控え選手という印象です。前者はウラディミール・バレンティン(ヤクルト)、阿部慎之助(巨人)、リカルド・ナニータ(中日)、後者は下園辰哉(DeNA)、野本圭(中日)、狩野恵輔(阪神)になるでしょうか。
 特定の1~2人の打者に集中して起用することが多く、阪神のように7人を1~2試合ずつ起用するのは珍しいかもしれません。

 続いてパ・リーグです。下表はパ・リーグの指名打者の守備イニング数で、球団ごとに大きい順にまとめました。画像をクリックすると、別ウィンドウで拡大画像が開きます。

 指名打者としての出番が多いか少ないかは打席数だけでもわかるのですが、イニング数を出すことで1試合あたりの出場イニング数(スペースの都合上、掲載していません)も見ることができます。
 指名打者の起用は各球団で異なっており、ロッテはアルフレド・デスパイネ1人だけで123試合も占めています。
1089 2/3イニングはトップで、唯一の1000イニング以上です。日本ハムは大谷翔平の715 2/3イニング(81試合)、ソフトバンクは長谷川勇也の795 1/3イニング(93試合)が最多でした。
 一方、西武と楽天とオリックスは1人に固定することなく多くの打者を起用しました。守備にもつくことが多い選手が守備の負担を軽減するためにリフレッシュする時や登録を抹消するほどではない程度の怪我をした時に起用している印象です。

 下の2行では指名打者を使わなかったイニング数も併記しました。「交流Visitor」というのは交流戦のビジター(セ・リーグの本拠地)のことで、指名打者を使えなかったケースです。「DH解除」というのは文字通り、指名打者を解除して投手を打順に組み込んだケースです。
 ソフトバンクと西武は年間を通してDHを解除することはありませんでした。DHを解除したイニング数が最も多いのは日本ハムの5試合45イニング(5月29日、6月12日、6月26日、7月3日、9月21日)で、いずれも大谷翔平が先発した試合です。
 他の3球団は試合終盤に1イニングだけ解除していました。楽天は4月23日に松井稼頭央がレフトを守りました。オリックスは3月29日に吉田正尚がレフト、8月12日に伊藤光がキャッチャー、9月21日に代打の駿太がセンターを守りました。ロッテは5月5日に代走の三木亮がセカンド、6月2日にデスパイネがレフト、9月25日にサブローが自身の引退試合でレフト(1/3イニング)とライト(2/3イニング)、10月4日に代走の大嶺翔太がセカンドを守りました。
 どういう展開でDHを解除したのかを知りたい方はそれぞれの試合のボックススコアをご覧ください。