バントという指標(6)

 このブログでは、
  ・株式会社エスミの事業内容
  ・株式会社エスミが開発、販売するソフトの紹介
  ・事例の紹介
などをおこないます。

 今回は事例の紹介です。
 2015年のプロ野球のデータを取り上げます。できるだけ公式記録集などに載らないような記録に着目していきます。

 前回は打者から見たバント作戦の成功率と失敗率を紹介しました。今回は投手から見たバント作戦の成功率と失敗率を紹介します。
バントと言えば、送りバント(犠打、犠牲バント)をイメージされると思います。送りバントの数値(送りバントが成功した数)は打者には記録されます。しかし、投手にはバントをされた数やバントを防いだ数というのは記録に残りません。バント作戦の成功数と失敗数を見ることで、何かがわかるかもしれません。

 下表はバント企図数のランキングです。バント安打、送りバント成功、バント失敗の合計が23個以上(16人)を掲載しました。数値は「エキサイトベースボール」を参考にしました。手計算による集計のため、正確性の保証はできないことをご了承ください。

 送りバントをされた数が最も多かったのは則本昂大(楽天)の21個、バントによる被安打の数が最も多かったのはマイルズ・マイコラス(巨人)と西勇輝(オリックス)と野上亮磨(西武)の3個でした。
 バント後に失点したのか無失点だったのかまでは検証していないので、この数の大小だけで論じるのはあまり意味がありません。

 投手の場合、バントを許した数よりもバントを防いだ数を見る方がピンチを縮小した指標にもなって、おもしろそうです。
 バント失敗の数が最も多かったのは、牧田和久(西武)の11個でした。前回も説明したように、ここでのバント失敗というのは以下の2種類があります。
 (1)「無走者」や「2死」の場面のセーフティバントが失敗した
 (2)バントを試みたのに走者を進められなかった

 牧田和久の11個のうち、(1)が2個、(2)が9個ですので評価が難しいところですが、どの投手よりも相手のチャンスを広げなかった(作らせなかった)のは間違いなさそう(その後で無失点で切り抜けたかどうかはまた別)です。

 続いて、分子を「バント失敗」、分母を3つの合計にして、バント作戦の失敗率を出しました。16人の中で最も失敗率が高かったのは牧田和久(西武)の44.0%でした。投手全員の平均は23.6%ですので、牧田和久は平均的な投手に比べて約1.86倍の失敗率ということになります。

 おまけの情報として、各投手の被打率、被出塁率、被長打率、被OPSを併記しました。打者の時のようなバントとの関連性を見ても意味がないと思いましたが、井納翔一(DeNA)の数値の悪さが気になるところです。被OPSの高い投手を相手にバント作戦は勿体無いと考えるか、バント作戦のおかげで得点に繋がったかもしれないので合理的と考えるか、・・・などといったことが思い浮かびますが、この数値だけではわからないので、詳細は登板ごとの投球内容を調べる必要があるでしょう。

コメントは受け付けていません。